看板屋の看板

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当店でもそうなのですが、看板屋が自分のところにつける看板というのは、店や会社の名前よりも「カンバン」や「看板」の字を大きくするように思います。

今月(2018年1月)の当店写真です。平看板に大きく「カンバン」と書いています。
周りにたくさんあるいろんな文字に「黒字看板」が埋まってしまっていてわかりづらいので、たまに「おたくは何という名前ですか」と訊ねられたりします。
にぎやかさを主眼に置いているのがよくないのかも知れません。改善の余地があります。

移転する前の当店写真です。店名に「看板」が入っているのでそのまま「黒字看板」とテントに書いています。

モリタ電装広告社」で紹介した伯父の店でも、メインになっているのは店名ではなく「カンバン」の文字でした。

どうして店の名前ではなく、取り扱っている商品やサービスを前面に出して文字を知らせるのか。
実は看板屋は経験上、店名や会社名でるかを知らせるよりも、何をしている店・会社であるかを知ってもらうことの方がおそらく重要であろうことを知っています。
確かに店の名前が大切であることに間違いなどありません。
それでもそれ以上に「ここはパンやさん」「米屋です」「喫茶店だ」と自己主張することが大事なのだと看板屋は考えているわけです。
「名前はわかるけれども何をしている会社かはわからない」というのはごく普通にあります。
社名が当店の「黒字看板」のように業種や取扱い商品などを表していれば特に問題はないのですが、「出来島産業株式会社」(実在しません)という会社の看板を大きく作るよりも、その出来島産業が扱っている例えば「米」や「酒」が目立つように看板を作り、その中により小さく社名を入れるか、あるいは別により小さな社名が入った看板を作って付ける方がよいのだという考えがあるわけです。

最近はたばこ屋さんも減った気がします。
そのたばこ屋さんの看板によくあったのが長方形の赤の中を楕円で白く塗り、その中に「たばこ」と黒字で書いた看板でした。
日本ではたばこ屋の看板はその書式がずっと踏襲され、基本的な構図には全く変化が見られません。
「〇〇たばこ店」という看板よりも「たばこ」でわかるのですからたばこ店主の多くはそういう看板をつけるのです。

印刷屋さんやはんこ屋さんも同様の傾向にあると感じますがどうでしょうか。
「印刷」や「はん」の大きな看板は街中でよく見かけます。

看板については表札(人でいうと名札)の用途・目的もありますから一概に言えませんが、大きな看板を付けるのでしたら製作する前に一度よく考えていただいた方がよいと私は思います。