許可なく校内への立ち入りを 禁じます。○○○小学校長

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許可なく
校内への立ち入りを禁じます。
○○○小学校長

と書いてあります。
「許可なく」は連用形なので、これは体言「立ち入り」にはかからず、用言「禁じます」にかかります。
「許可なき校内への立ち入りを禁じます」「許可なく校内へ立ち入ることを禁じます」ならよかったんですが。

昨日に引き続いて当店ブログ「日本語で書いている」からの転載です。
6年ほど前に書いたものですが、当時は「許可なく校内への立ち入りを禁じます」の「許可なく」は連用形であり、よってこの「許可なく」はこの文の後ろにある用言「禁じます」にだけかかる言葉である、と考えていました。
今でも基本的な考えは変わっていません。

3か月ほど前にあるコミュニティで同じような内容の発言をしたところ、「『立ち入り』は用言の名詞的用法なので文法的に正しい」旨の意見がありました。
それを聞いて自信がなくなり、そういう点からすると必ずしも間違いではないのかも知れないと考え直しました。
ただし、この「○○○小学校長」の「禁じます」についてはそこまで考えて作った文であるかどうかを疑問に感じている自分がいます。
そうは言っても看板の文字は書かれたものがすべてです。
文法上間違っていないとは言える。けれども誤解を受けるであろう文であるというのが今の私の考えです。
その誤解とは、ひとつには「許可なく校内への立ち入りを禁じます」の「許可なく」は連用形なので、体言「立ち入り」にはかからず、用言「禁じます」にのみかかると判断されるという誤解。
すなわち「校内への立ち入りを禁じます。禁じることそのものの許可は得ていません」と言っているのではないかという誤解です。
いまひとつは、「『立ち入り』は用言の名詞的用法なので文法的に正しい」として確かにこの文を書いたのかどうかが不明であるという誤解です。これは読んだだけでは決してわかりません。
そして紛らわしい、美しくない文であることに変わりはありません。

「許可なく校内への立ち入りを禁じます。ただし『許可なく』はあくまで『立ち入り』にかかり、決して『禁じます』にかかるものではありません。○○○小学校長」というような、誰にでも分かる、間違った理解のされ方を排除した文を書くことはもちろん可能ですが、普通そんなことはしません。
やはりここは「許可なき校内への立ち入りを禁じます」あるいは「許可なく校内へ立ち入ることを禁じます」と書けば最初の文と比較してそう長くもならずに済み、用件をきちんと伝えていると考えますがいかがでしょうか。

ちなみに聞いた話ですが、西淀川区内のある中学校で体育大会が行われた際、校長が開会時のあいさつでこの行事を「たいいくだいかい」「たいいくだいかい」と繰り返し繰り返し呼称していたと聞きます。
「せめて行事名くらいはきちんと言ってもらいたかった」というその人の話を思い出してしまいました。