「ウエストマンカラー」袖看板(朝ドラ『ちむどんどん』)

シェアする

ドラマのセットで使用される看板に関する短い記事です。

朝ドラ『ちむどんどん』第27回から。1972年(昭和47年)の東京・銀座です。通りの右側にあるビルに設置された看板に注目します。
朝ドラ『ちむどんどん』第27回から

この、かなり縦に長い看板。「ウエストマンカラー」の袖看板です。
朝ドラ『ちむどんどん』第27回から

「ウエストマンカラー」は、先月放送が終了した朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で、回転焼「大月」の向かいにある「マルハナ印刷所」がプリント取扱店をしていました(第71回から)。
朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第71回から
切り取りました。
朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第71回から「ウエストマンカラー」

「ウエストマンカラー」と書いてあるはずです。

「ウエストマンカラー」は、もともとは東京制作の朝ドラ『半分、青い。』で、ふくろう商店街の中にある「カメラのヨコサワ」に設置された看板にその文字がありました(画像はいずれも第9回から)。
朝ドラ『半分、青い。』第9回から
朝ドラ『半分、青い。』第9回から
「ウエストマンカラープリント特約(店)」と書かれていました。
『カムカムエヴリバディ』では「ウエストマンカラー/プリント取扱店」だったので、若干異なります。「ウエストマンカラー」の書体も別。

また、「WESTMAN COLOR プリント特約店」と書かれた置看板が、同じく『半分、青い。』の「萩尾写真館」にありました(第115回から)。
朝ドラ『半分、青い。』第115回から
こちらはカタカナでの表記はなく、英語で「WESTMAN COLOR」でした。
「ウエストマンカラー/WESTMAN COLOR」の元ネタは、言うまでもなく「イーストマン・コダック」です。

『カムカムエヴリバディ』の「ウエストマンカラー」置看板はこれ(第91回から)。
朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第91回から
朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第91回から「ウエストマンカラー/WESTMAN COLOR」置看板
『半分、青い。』の「萩尾写真館」で使われていた置看板と、似ていると言えば似ています。「WESTMAN COLOR」は同一っぽいものの、マークの円をよく見ると、「W」のあるなしがあったりして、「敢えて異なるようにしているのかな」と思ってしまうのです。

『カムカムエヴリバディ』のガラスに貼られた「ウエストマンカラー」を再掲。
朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第71回から「ウエストマンカラー」
そして、『ちむどんどん』の「ウエストマンカラー」看板も再掲します。
朝ドラ『ちむどんどん』第27回から
特徴のあるカタカナで、全く同じ文字だと考えるのが妥当です。英字の「WESTMAN COLOR」は東京局から大阪局へ引き継がれましたが、カタカナの「ウエストマンカラー」の文字デザインは、逆に大阪局で作られて東京局へ引き継がれたと考えるのが自然なのですが、どうでしょうか。

ドラマのセットで使用される看板に関連した短い記事です。 朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第71回から。回転焼店「大月」へ来たひなたの友人・小...

ちなみに、この大きな銀座のビルがある場所は、野外型ロケ施設のワープステーション江戸です。

特徴のあるビルは、『エール』ではコロンブスレコードの本社として使われていました。
朝ドラ『エール』第31回から

『なつぞら』では、「東京・新宿」にあるビルとして。昭和30年(1955年)の夏という設定です。
朝ドラ『なつぞら』第27回

『ちむどんどん』のビルを再掲。朝ドラ『ちむどんどん』第27回から

お気付きだと思いますが、実際にこのように大きな看板があるのではなく、建物の上半分を含めてCGで合成したものでした。