『女流落語家 その成功の軌跡』(朝ドラ『ちりとてちん』)

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テレビドラマの小道具に関する短い記事。毎度のことながらマニア向けだと思います。

朝ドラ『ウェルかめ』第59回の静止画像。「ゾメキトキメキ出版」の編集室です。アルバイトの山田(みよっさん さん)の左奥に見えている書籍に注目します。
朝ドラ『ウェルかめ』第59回から
3冊の本を切り取った画像。
朝ドラ『ウェルかめ』第59回から
右は『暮らしの商品安全学』。実在する書籍です。宮本一子著。

筑摩書房『暮らしの商品安全学』の書誌情報

真ん中の『絵のない画廊』は、『わかば』(2004年度後期)以降に大阪放送局で制作された複数の朝ドラで使われてきたのを確認しております。市販本ではなく、ドラマの小道具として制作された書籍。著者の部分は今のところ読めていません。

そして左端の『女流落語家 その成功の軌跡』。こちらも市販された実績のない架空の書籍なのですが、朝ドラ『ちりとてちん』の中でその出版記念パーティーが開かれています。画像は『ちりとてちん』第49回から。
朝ドラ『ちりとてちん』第49回から
著者が緒方奈津子(右・原沙知絵さん)として記されているものの、『女流落語家 その成功の軌跡』の本自体がヒロイン・喜代美(左・貫地谷しほりさん)の想像の中にだけあり、出版記念パーティーのシーンも喜代美の心の中を表現したもので、実際にドラマ内でこの本が出版されたわけではありません。

後に、喜代美の叔父・小次郎(京本政樹さん)と結婚した奈津子が『徒然亭若狭 そのお母さんへの軌跡』として出版することになります(最終回から)。
朝ドラ『ちりとてちん』最終回(第151回)から
朝ドラ『ちりとてちん』最終回(第151回)から

実際は「本はたいして売れず、小次郎叔父ちゃんが道端でたたき売るはめになる」とのことでした。

他の朝ドラでの使用歴がきっとたくさんあるはずなので、気づいた時に追記したいと思います。