欧陽詢体

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ドラマで使用されたフォントの話です。

NHKオンデマンドで『あさが来た』を見ていたところ、看板文字がたくさん出てくる場面があったので、静止させてそれらをよく見てみました。
『あさが来た』第74回
左から「似生堂」「食用油榮」「伊藤呉服商」「洋食 開成軒」と書かれています。
この中の「食用油榮」をあるフォントを使用してIllustratorで書いてみました。

まず画像から「食用油榮」の部分を切り取ります。
「食用油榮」

“欧陽詢体”というフォントを使って赤い色で横に書いてみました。
「食用油榮」
どう見ても同じフォントです。

欧陽詢をWikipediaから引用します。

欧陽詢(おうよう じゅん、557年 – 641年)は、唐代の儒家、書家。字は信本。潭州臨湘(現在の湖南省長沙市)に生まれ、安徽で死去した。

業績
初唐の三大家の一人で、楷書の四大家の一人でもある。欧陽詢の楷書は端正な字形であり、特に『九成宮醴泉銘』は有名で、日本では昭和時代からこの書風が小中学校の教科書の手本に取り入れられるなど後世に多大な影響を残した。[要出典]

ということです。

整った楷書で、”さんずい”に少し特徴がある気がします。
次にどこかで見た時には「これは欧陽詢体だ」とすぐに気づきたいものだな、と思います。

“欧陽詢体”は、仕事で使用したことがまだ一度もありませんが、もしかするとこのページを見て「欧陽詢体で看板作って!」とか言ってきてくださる方が現れるかもかも知れません。

ちなみに「食用油榮」の読み方は、「しょくよう ゆえい」なんかではなく、「しょくようあぶら さかえ」なのでしょう。