ドラマのセットに関する記事です。
朝ドラ『虎に翼』第30回から。女性初の高等試験司法科合格の祝賀会会場です。ヒロイン･寅子（伊藤沙莉さん）を含めて3人が金屏風の前に並んでいます。昭和13（1938）年という設定。
「この部屋には見覚えがある」という印象をお持ちになる方も多いはず。
この部屋は、寅子がお見合いをしたホテルでした（画像は第1回から）。
「昭和六年/1931」とあるので、この時から7年後に高等試験司法科に合格するということになります。
シャンデリアや床の仕上げ、イスやテーブルが異なっているので違う場所という設定なのだと思いますが、7年経っているということなのでこの2ヶ所だけでは判断しかねるところ。
また、兄･直道らの結婚披露宴が行われたのも同じ部屋（第4回から）。
上記2件とは反対側からの撮影です（↑）。
こちらは同じ方向を撮影したシーンの静止画像（↓第4回から）。
青いタイルが嵌め込まれたマントルピースがあります。
寅子がお見合いをした時にも同じマントルピースが映っていたので、これらはすべて同じ場所だと考えるべきでしょう（第1回の画像を再掲↓）。
床は同じに見えます。
第30回の祝賀会場画像を再掲。
ここまでくると金屏風の向こうに何があるのか、やはり分かってしまいますね。
青いタイルを持つマントルピースについてはこちらです（↓）。
追記します。
他のNHKドラマで使われているのに気づきました。画像は夜ドラ『ミワさんなりすます』（全32回・2023年10月16日～12月7日放送）第3回と第5回から。映画俳優の八海崇（堤真一さん）の自宅です。ドラマでは最もよく使われた部屋のひとつであるリビングダイニング。この部屋が先に書いた『虎に翼』の3部屋と同じに見えるのです。
『虎に翼』の祝賀会会場画像を再々掲。
反対側から撮られた『ミワさんなりすます』の画像です（第5回及び第25回から）。
『虎に翼』の結婚披露宴画像（再掲）。
細かな部分は違っているのですが、部屋の形や大きさ、扉、窓、柱などが同じで、これらは同一の部屋だとしか考えられません。
「ふーん、そうなんだ」と軽く納得出来ることなのかも知れませんが、私はとても驚きました。
放送時期を考えると、『ミワさんなりすます』で八海邸として使われた後に、『虎に翼』で使われたのだろうと思われるのですが、部外者なので詳細は不明です。
廊下はどうなっているのか調べてみたところ、同じ場所が映っている場面がありました。『虎に翼』は結婚披露宴の後（第4回から）。
『ミワさんなりすます』の八海邸は主人公の久保田ミワ（松本穂香さん）が掃除をする場面。
敷かれている絨毯が異なり、イスやテーブル、ライトや絵画の有無など違っている点はたくさんあるのですが、それでも同じ廊下であろうと思わせるのはやはりドアや腰壁の作りでしょう。
ここまでをまとまると、朝ドラ『虎に翼』で
- ヒロイン･寅子がお見合いをした部屋
- 寅子の兄･直道らが結婚披露宴を開いた部屋
- 初めて高等試験司法科に合格した女性たちが祝賀会を開いてもらった部屋
として使われたそれぞれの部屋が、実は全部同じスタジオのセットで撮影され、なおかつそのセットは、夜ドラ『ミワさんなりすます』で映画俳優の八海崇の自宅リビングダイニングとして使われていたものだ、ということです。
これだけでも実に面白いなと感じるのですが、話はこれでおしまいではありません。
『ミワさんなりすます』の八海邸は、過去に制作された大河ドラマでも使われていたのです。
画像は『青天を衝け』（2021年放送）第37回及び39回から。場所は主人公･渋沢栄一（吉沢亮さん）の自宅です。時期的には『ミワさんなりすます』よりもこちらの方が古いドラマ。
せっかくなので、撮影方向別に先に引用した画像をまとめて再掲します。もう説明は不要でしょう。
反対側からも。
『青天を衝け』には『ミワさんなりすます』で映画俳優の八海崇を演じられた堤真一さんもご出演されていますが、渋沢邸が出来る頃には演じていらっしゃった平岡円四郎は亡くなっていたというのも少し興味深いところではないでしょうか。
誤りに気づいた際には速やかに訂正をします。
（2024年5月19日追記）