甘味処「竹もと」(朝ドラ『虎に翼』)

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ドラマのロケ地についての短い記事です。おそらくマニア向け。

朝ドラ『虎に翼』第16回から。ヒロイン・寅子が学友や家族と利用する御茶ノ水にある甘味処「竹もと」です。のれんには「甘味処 しるこ 竹もと」とあります。「しるこ」は変体仮名での表記。
朝ドラ『虎に翼』第16回から

ネットでは「竹もと」のモデルとなったのは神田にある「竹むら」(東京都千代田区神田須田町1-19)さんだとする意見が多いようです。

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『虎に翼』で「竹もと」が少し遠くから映された映像がありました(第3回から)。屋内のセットではなく、屋外にある建物です。
朝ドラ『虎に翼』第3回から
(奥川呉服店のすぐそば)

ロケ地は野外型ロケ施設「ワープステーション江戸」(茨城県つくばみらい市南太田1176)。

施設内での場所を示すためにGoogleの航空写真を使用します。
「ワープステーション江戸」航空写真
」を付けた建物が「竹もと」として使われています。

さらに切り取った画像。赤い矢印()はだいたいの撮影位置と方向を示しています。
「ワープステーション江戸」航空写真

「竹もと」の建物セットは、朝ドラでは『エール』でも使われていました。福島・川俣にある乾物店「津多屋」として(第2回から)。
朝ドラ『エール』第2回から

また、同じく『エール』で戦時中の配給所として使われていました。こちらは東京という設定(『エール』第77回から)。
朝ドラ『エール』第77回から

『ちむどんどん』で右隣の建物が映っていたのですが、他の朝ドラでは今のところ未確認です。

そして、「竹もと」の店内入口付近が映った静止画像です(第3回から)。
朝ドラ『虎に翼』第3回から

ここから入口の上にある欄間部分を切り取ってみます。
朝ドラ『虎に翼』第3回から

一方、同じく第3回の外観画像(再掲)。
朝ドラ『虎に翼』第3回から
こちらも戸の上部分を切り取ります。
朝ドラ『虎に翼』第3回から
店内から撮影されたのを再掲。
朝ドラ『虎に翼』第3回から
外と内とでこれほど違っているので同じものには思えません。
撮影時期が異なり、その間にこの部分を入れ替えただけだ、というのも可能性としてはあります。しかし、店内の場面は「ワープステーション江戸」ではなく、別の場所(おそらくNHKのスタジオ)で撮影されたのではないかと思われるのです。

「竹もと」の店内が映った第17回の静止画像。
朝ドラ『虎に翼』第17回から
朝ドラ『虎に翼』第17回から
店内は結構広いようで、本当にスタジオの撮影なのかどうか、あまり自信が持てません。
間違いに気づいた際には速やかに訂正をいたします。


追記です。
『なつぞら』(2019年度)で「竹もと」の建物がちらっとだけ映っていました。
画像は第95回から。ヒロイン・なつ(広瀬すずさん)と「清丸」の看板との間に見えています。
朝ドラ『なつぞら』第95回から
切り取った画像です。
朝ドラ『なつぞら』第95回から
目印は2階の戸袋で、比較的分かりやすいと思います。

(2024年5月9日追記)


追記します。

番組公式サイトに美術デザイナーの方のセット解説のページがあり、その中に「店内はスタジオセットですが、店の玄関はロケで撮影しています。」とありました。

連続テレビ小説「虎に翼」。今回は、物語に登場するさまざまなセットの制作裏話を美術デザイン担当者に伺いました。

後に続く箇所を含め、あらためて引用させていただきます。

店内はスタジオセットですが、店の玄関はロケで撮影しています。スタジオという限られた空間に店の外観まで作る必要がなかったので、その分店内セットは余裕をもって贅沢に作ることができました。

【虎に翼インタビュー】明律大学、カフェ燈台、竹もと、裁判所セット【NHK朝ドラ】 から引用

店内が広い(かなり広いと思います)のは、外観が必要なかったからなのですね。

ちなみに、第27回の放送で女将(中原三千代さん)が玄関の暖簾をしまう一連のシーンがあり、これはロケとスタジオセットの両方で撮影されたということになります。
朝ドラ『虎に翼』第27回から
朝ドラ『虎に翼』第27回から
朝ドラ『虎に翼』第27回から
玄関の外側が映った1、2枚目は「ワープステーション江戸」で、店内の3枚目はスタジオセットでそれぞれ撮影されたということなのですが、当然違和感は皆無でしたね。

「竹もと」周辺にあって名前が分かっている店舗の名称を、それぞれの屋根の上に書いてみました。
朝ドラ『虎に翼』「竹もと」とその周辺の店舗
この画像(↑)は適宜修正します。

(2024年5月15日追記)


追記します。

「竹もと」は戦争の影響で閉店していました(画像は第37回から↓)。
朝ドラ『虎に翼』第37回から
空襲の影響がほとんどなかったのか、戦後同じ場所で復活しています(第64回から)。
朝ドラ『虎に翼』第64回から
陳列ケースは他の朝ドラ(『ひよっこ』『なつぞら』)で使われていたものです(↑)。

テレビドラマで使われる小道具に関する短い記事です。 朝ドラ『虎に翼』第64回から。甘味処「竹もと」の店内です。ガラスが入った木製の陳列ケー...

そして、「竹もと」で働きだした梅子(平岩紙さん)が客の女学生を送り出す場面で玄関の内外が映っていました(第67回から)。
朝ドラ『虎に翼』第67回から
朝ドラ『虎に翼』第67回から
朝ドラ『虎に翼』第67回から
欄間に注目してみると、外からのカットもセットで撮影されたのだと思われます。
店舗の外観は全く作っていないのではなく、玄関部分は「ワープステーション江戸」とソックリに作られているのでした。

(2024年7月4日追記)


さらに追記します。
甘味処「竹もと」は、「笹竹」と名称を変更しました。従来の甘味処ではなく、「和菓子とすしの店」としての再スタートです。店主夫婦が高齢の為に引退し、梅子が「笹寿司」の職人・道男(和田庵さん)と一緒に店を継ぐことになったのでした。「笹竹」の暖簾が映っています(第117回から)。
朝ドラ『虎に翼』第117回から
朝ドラ『虎に翼』第117回から
「笹竹」の暖簾が映っているこれらのカットもやはりスタジオでの撮影です。

(2024年9月10日追記)


本日放送された最終回(第130回)で、「笹竹」として「竹むら」さんの店舗外観が映っていました。
朝ドラ『虎に翼』第130回から
右の電柱に取り付けられた看板を切り取った画像。
朝ドラ『虎に翼』第130回から

看板は「奥川呉服店」のものでした。Googleストリートビューで「竹むら」さんを見に行くと、実際は別の呉服店の看板が設置されています。ドラマでは画像処理をして「奥川呉服店」の柱巻き看板を持って来たのだと思います。
「竹もと」を「笹竹」に変更した地図です(↓)。
朝ドラ『虎に翼』「笹竹」(旧竹もと)とその周辺の店舗
ドラマでは「奥川呉服店」は「笹竹」(旧竹もと)のすぐそばにあるという設定なので必要だったのでしょう。「奥川呉服店」については「有閑堂書店」の記事で少しだけ触れております。

ドラマのロケ地に関する短い記事です。マニア向けだと思います。 朝ドラ『虎に翼』第23回から。法律関係の書籍を扱う「有閑堂書店」の店内です。...

以上、甘味処「竹もと」、和菓子とすしの店「笹竹」について書きました。

(2024年9月27日追記)