言葉の勘違いに関する話です。看板とは直接関係がありません。
吉永小百合さん主演の『キューポラのある街』をU-NEXTで観ていたところ、かつて「キューポラ」について誤った認識を持っていたことを思い出しました。
今から25年くらい前まで、『キューポラのある街』の「キューポラ」とは木の名前だと思っていたのでした(実際は溶銑炉)。
ネット検索すると同様に思っていた人が散見され、面白いなあと感じた次第です。
私の場合、「キューリ」と「ポプラ」を合わせて脳内変換していたのでしょう、「キューポラ」は葉の色が薄い街路樹だろうとなんとなく思い浮かべてました。
キューポラの勘違いについてさらに調べると、だいたい以下のパターンがありました。
- 花の名前だと思っていた人
- 木だと思っていた人
- 花か木だと思っていた人
- 煙突だと思っていた人
- 溶銑炉だと思っていた人
1~3はほぼ同じみたいなのですが、私は「キューポラ」を花の名前であるとは全然思わなかったので、逆の人(花の名前だと思っているが、木とは全く思わない人)もいるだろうからと、分けてみました。
4を勘違いであるとするのにはかなり抵抗を感じます。「キューポラ」の語源をたどると、もともとは、建築物の上にある比較的小さい、ドームのような構造体のことで、現在も建築用語として使われているのです。
看板屋になる前に働いていた金属加工の会社(西淀川区内にありました)のいくつかの取引先に、「キューポラ」を持つ工場がありました。
ただ、「キューポラ」と呼ぶ人は絶無で、皆さん「キュポラ」と言っていました。
「キューポラのある街」の舞台である埼玉県川口市でもそうだったんじゃないかなと想像します。
私の場合、めったに使用する言葉ではないものの、必要があれば「キューポラ」は使わずに「キュポラ」と言い換えてました。
辞書にはあるけれども現場ではほとんど使われなかった言葉なのかも。
ちなみに、私が想像していた『キューポラのある街』は、郊外にある「キューポラの木」(葉の色が薄い街路樹)が通りにたくさん植えられた新興住宅街を舞台にした青春物語でした。
実際には「キューポラの木」というのは存在しないのですが、似たような勘違いをしていた人がある程度いらっしゃるのを知り、少しだけ喜んでおります(笑)。