朝ドラで使われる建物の使い回しについて書きます。
ヒロインなつが住むおでん屋「風車」2階にある部屋から前の通りを見た画像です。なつを見上げているのは、雪次郎の両親と祖母(小畑雪之助・演:安田顕さん/妙子・演:仙道敦子さん/とよ・演:高畑淳子さん)。向かいにある看板と建物も写っています。(『なつぞら』第74回から)。
そしてこちらも同じ部屋から撮られた画像のはずなのですが、どう見ても向かいにある建物が違っています。
(上3枚、朝ドラ『なつぞら』第54回から)
現物を見たわけではないので、「絶対こうなっているはずだ」と断言出来る意見を持っているわけではありません。ただ、普通に考えると「違っているよな」と感じるわけです。
それは置いておき、今日は第54回で写っている建物について書きます。
上3枚の真ん中の写真で、正方形の突起物が上下に4個並んでいます。この建物に見覚えはないでしょうか。
『ひよっこ』第70回からの画像です。
「喫茶白猫」の右隣の建物にも正方形の突起物があります。
柵、電線、樋、看板と視界をさえぎるものが複数あるのですが、これらを取っ払ったとすると「白猫」横の建物が現れるように見えます。
「喫茶白猫」の右隣の建物と言えば、同じく『ひよっこ』では「月時計」の建物でもあったのですね(第71回)。
肝心の正方形部分は2個しか写っていないのですが、同じ建物に見えます。位置も変わっていないので間違いないでしょう。
この建物は『ひよっこ』であかね坂商店街の「タニシ電気」としても使用されています(『ひよっこ』第36回から)。
実にちらっとしか写らなかったのですが、これだけ似た建物がふたつあるとは考えづらいでしょう。
同じ第36回では、「タニシ電気」だけではなく同じあかね坂商店街の「ヤマト時計」の建物としても使われていました。
これに先立ち、第3回で「ヤマト時計」の建物として上部が写っていました(↓右側の建物)。
『ひよっこ』だけで都合4軒です。でも誰も気づかない。これはすごいことです。
そしてこの建物、実は『半分、青い。』でも使われていました。律の家でもあった「萩尾写真館」です(『半分、青い。』第3回から)。
青いタイル張りや塗装が新たに加えられており、2階右側の窓は小粋な明かり取りに変身しています。一見同じ建物には見えないかも知れません。私は全然気づきませんでした。
正方形の突起は4個ではなく5個が正解。それぞれを看板に見立てて「萩尾寫眞舘(萩尾写真館)」と5文字入っていたのです。
ということは、『なつぞら』でなつの部屋から見える、この建物に付いた「おーるどりBAR」の袖看板は、5個ある正方形突起のちょうど真ん中の横に取り付られているということになりますね。
それにしても「萩尾写真館」の建物はとても美しいものだと感じます。
このドラマの為に設計されたものではなく使い回しである、というので余計にそう思うのでしょう。
「なつぞら」に限らず、また「登場」してくれることを期待しております。
一覧にしてみました。
『おひさま』にあったので追加です。画像は【朝ドラ100┃NHK放送史┃NHKアーカイブス】からお借りしました。
中央奥に見える建物です。レンズの加減(超広角?)のせいか、とても小さく見えてしまっているのですが、正方形の突起×5と庇の具合などから同じ建物であることが見て取れます。
(2020年5月10日追記)
『あまちゃん』で見つけました。東京EDOシアターそばの「喫茶しのぶ」の建物として使われていました(画像は第118回から)。
それぞれ建物が実にごく一部しか見えていない画像なのですが、先に検証した画像と併せて見てみると同じものにしか見えてきません。
一覧です。
ドラマ名 | 名称 | 場所 |
なつぞら | おーるどりBAR | 東京・新宿 |
ひよっこ | 不詳 | 東京・赤坂(喫茶白猫の右隣) |
ひよっこ | BAR 月時計 | 東京・赤坂 |
ひよっこ | タニシ電気 | 東京・赤坂 |
ひよっこ | ヤマト時計 | 東京・赤坂 |
半分、青い。 | 萩尾写真館 | 岐阜 |
あまちゃん | 喫茶しのぶ | 東京・上野 |
おひさま | 不詳 | 不詳 |
(2020年7月18日追記)