朝ドラ『まんぷく』の大道具の話です。
建物が使い回しされているのに気づいたので書きます。
第69回放送から。「田中印刷」の建物にご注目ください。
第109回放送から。「渡辺製氷店」の建物。
第134回放送から。「魚菱」の建物。
これら三つの建物は全て同じに見えます。
「田中印刷」は東京でした。
「渡辺製氷店」と「魚菱」は同じ「池田駅前商店街」にあるので不都合が起こったりしないのかと、少しだけ心配になります(笑)。
「渡辺製氷店」と「魚菱」では取付位置と表示面が違うものの、袖看板も同じです。
また入口の戸は、「田中印刷」と「渡辺製氷店」時代には木製で、「魚菱」の時にはアルミサッシになっています。
袖看板は「田中印刷」時代にはありませんでした。
この「田中印刷」の建物使いまわしに追加です。
第86回放送で、萬平が梅田銀行の融資担当と屋台で酒を飲む場面の後ろに写っている建物がどうやら「田中印刷」と同じです。
↓赤い提灯が下がっている建物。
↓ふたりの後ろに写っている建物です。分かりづらいですね。。
↓109回放送から「渡辺製氷店」と比較してみましょう。
画面左側に見える壁のシミが酷似している(!)
さらにさらに、第31回放送のひとコマ。「淸香軒」(清香軒)の建物。↓
これで少なくとも5ヶ所で使っていることになります。。全然気づきませんでした。
池田駅前商店街にある「梅波運送」も、実はこの”ヘビーローテーション建物”でした(80回・98回放送)。
加えて、萬平がひとりでラーメンを食べに行った店(暖簾に○金マーク・池田駅前商店街?/第97回)や、
その2回前の第95回放送に出てくる店舗(画面左上に特徴ある壁が見えます。上の○金マークラーメン店と同じ?)、
そして吉乃が同僚とラーメンを食べているときに後ろに写っていた「宝来軒」(池田駅前商店街?/第108回)が確認出来ました。
一覧にしてみます。
朝ドラ『まんぷく』ヘビーローテーション建物A(淸香軒・田中印刷) | ||
建物の名称 | 建物の所在地 | 登場した話 |
淸香軒(清香軒) | 大阪府泉大津市 | 第31回(他) |
田中印刷 | 東京都・品崎商店街 | 第69回 |
梅波運送 | 大阪府池田市・池田駅前商店街 | 第80回・98回(他) |
××食堂 | 大阪府池田市・池田駅前商店街(?) | 第86回 |
不詳(↓と同じ?) | 大阪府池田市・池田駅前商店街(?) | 第95回 |
○金(ラーメン店) | 大阪府池田市・池田駅前商店街(?) | 第97回 |
宝来軒 | 大阪府池田市・池田駅前商店街(?) | 第108回 |
渡辺製氷店 | 大阪府池田市・池田駅前商店街 | 第109回 |
魚菱 | 大阪府池田市・池田駅前商店街 | 第134回 |
これほどたくさんあるのは実に驚きです。
もしかすると2つ以上似た建物があり、それを私が勝手に同じものであると判断しているだけかもしれません。
「違ってるよ」というご指摘をいただければ幸いです。ご意見をお待ちしております。
↑上の「○金マークのラーメン店」は最終回で暖簾(のみ)が登場していました。
また、これほどのヘビーローテーションではないものの、結構使い回しされている建物は他にもあります。
↓たちばな栄養食品販売東京支店そばの大衆食堂「やまね」(第64回放送から)。
↓池田駅前商店街の「歯車坂時計店」(第80回放送から)。
「白薔薇」に出勤する前のヒロイン福子がガラスに映った自分を覗き込んでいる建物。
↓中央の2階建てです。名前が判りません。おそらく池田駅前商店街。カステラを扱っているお店です(第95回放送から)。
↓池田駅前商店街のそうざい店「吉市」(第109回放送から)。
一覧にしました。
朝ドラ『まんぷく』ヘビーローテーション建物B(やまね・歯車坂時計店) | ||
建物の名称 | 建物の所在地 | 登場した話 |
やまね(大衆食堂) | 東京都・品崎商店街 | 第64回(他) |
歯車坂時計店 | 大阪府池田市・池田駅前商店街 | 第80回(他) |
不詳(カステラ店) | 大阪府池田市・池田駅前商店街 | 第95回 |
吉市(そうざい店) | 大阪府池田市・池田駅前商店街 | 第109回 |
特に東京の「やまね」と池田駅前商店街の「歯車坂時計店」が同じ建物であるのが判ると、東京の品崎商店街と池田駅前商店街でのそれぞれの店舗の位置関係が見えてきて、「な~んだ、そうだったのか」と謎解きみたいで結構楽しめました。
もう放送終了なのかと思うと寂しい限りです。もっと早く気づいて記事にしておきたかった。。
この他にも。ヘビーローテーション建物Aとして書いた「淸香軒」の店内(第31回放送から)。
店の外に見えるカラフルなタイルはどこかで見たような。
萬平が個人経営していた「たちばな工房」ではありませんか。
建物以外でも使い回しがありました。
街灯は戦前(戦中)から大阪市内中心部(第20回放送)にあったのと同じものが
戦後の東京にもありました(第69回。最初の写真と連続したシーン。品崎商店街)。
そして池田駅前商店街。電話ボックスから幸に電話するレオナルドです。街灯はピントが合っていないものの手前でとても大きく写っています(1970年という設定。132回放送)。
セットを使い回しする、と書くと「何か悪いことをしているのか」と思う方がいるかもしれませんがこれらの場合はそうではありません。
限られたスペースと予算で番組を制作するのですから、普通に見た人が気づかない程度に使い回しをするのは至極まっとうなことです。
『まんぷく』のセット公開にはぜひ行きたいと思っています。
さらに『まんぷく』の細かい話↓
現在放送中の『おちょやん』で、『まんぷく』「田中印刷」等の建物として何度も登場したものと似た建物が「京極南郵便局」の局舎として使われています。画像は第24回から。
『まんぷく』で淸香軒が映っている画像を再掲します。
1階はおおむねそのままのようですが、2階は窓の位置が違っています。でもおそらく基本は同じものなのでしょう。
(2021年1月8日追記)