交差点名標識の話です。
神奈川県大和市にある「旧図書館前」交差点(2017年3月撮影のGoogleストリートビュー画像)。
「旧図書館前
Old Library」
と書いてあります。
「旧図書館前」ということは逆に考えると「現在ここに図書館はない」ということであろうと考えられます。
おそらく大和市立図書館がこのそばにあり、分かりやすいだろうと「図書館前」という名称の交差点名標識にしていたのだろうと思います。
同じ交差点を撮影した2014年3月の画像です。
「図書館前」
と書いてありました。
現在別の場所に図書館は移動しているのでその名称は使用出来ません。
「図書館前」ではなく、他の名前にしないといけない。だから「旧図書館前」か。
交差点そのものが古くなったわけでもなんでもなく、名称の由来となった建物が図書館でなくなったので頭に「旧」をつけた。
現在大和市では「旧図書館」は建て替えることなく「市民活動拠点ベテルギウス」に生まれ変わり、「旧図書館」でも通じるようです。
「旧(大和市立)図書館 前」交差点で「旧」は図書館にかかるのか、「旧(大和市立)図書館前 交差点」で「旧」は交差点にかかるのかを考えようとしてみたのですが、このケースだと図書館にかかる「旧」だと考えられます。
逆に交差点についた「旧」であるとは考えられないのか。
図書館ではなく、仮に「A高校前」で考えてみることにします。
A高校(公立高校)そばにある交差点なので、「A高校前」交差点と名づける。
↓
A高校が廃校になり、校舎が壊されて更地になり民間に払い下げられる。
↓
いつまでも「A高校前」交差点では問題があるから「旧A高校前」とする。ただし、校舎は跡形もなく学校があった場所には他の施設がある。
これは全く問題がないようにも思われます。
しかし、たとえば30年先の「旧A高校前」交差点を想像してみるとどうでしょうか。
すでに30年以上前に廃校になった学校由来の名前がつけられている交差点。普通はありえないでしょう。
その間に他の名称に変更することになるのだと当然思われます。
そうであるならば「旧図書館前」とせず、図書館に代わる何かを持ってきて、たとえば「○○町1丁目」であるとかに変更するのが得策ではないかと考えます。
2018年9月撮影のGoogleストリートビューで見てみると、他の名称に変更されていました。
「ベテルギウス前
Betelgeuse」
と変わっています。
この「ベテルギウス」は、「大和市市民活動拠点」ということで、大和市が管理しているもののようです。
ウェブサイトを見てみるとURLがhttp://www.city.yamato.lg.jp/web/seishou/yamato.betelgeus.htmlとなっており、ベテルギウスを”betelgeus”としています。
交差点名標識の英字表記は「Betelgeuse」。
いずれにしても見慣れない言葉なので読めない人が大多数ではないかと思います。
日本語しか読めない人には「ベテルギウス」がすでにあるので問題ではなく、読めない人(外国の方)向けでこの表記は必要なのでしょう。
いずれにしても「旧図書館前」でなくなったのはよいことなのだと思います。