二つ設置されている袖看板(朝ドラ『なつぞら』)

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また朝ドラの大道具の話です。
朝ドラのことを書いているのは、自分自身が毎日楽しんで視聴しており、そして番組の大道具について看板屋として気づいたことなどを書いていると、結構たくさんの方がこのサイトを見にきてくださるのでそれがとても嬉しいというのが大きな理由です。また、過去の朝ドラのスタジオセットに同じものがあるのを発見する、あるいは看板文字が既存のフォントで書かれているの見つけるのは、パズルを解くような趣があり、それ自体がとても楽しいことなのです。
そして、建物等のスタジオセットの使い回しは大いにするべきで、また、看板に筆文字風のパソコン用フォントを使うこと等も、私自身はそうするべきであろうという考えです。決してそれらに批判的な立場でないことをあらためて書いておきます。

今日ここで書くのは、「風車」の向かいにある「BAR おーるどりBAR」の袖看板(突き出し看板)についてです。
朝ドラ『なつぞら』第45回から
正方形+角丸の茶色っぽい看板が通りに面して設置されています(↑朝ドラ『なつぞら』第45回から)。

朝ドラ『なつぞら』第54回から
そして「風車」の2階に下宿しだした主人公なつ(演:広瀬すずさん)の部屋からは「BAR おーるどりBAR」の袖看板が見えます(第54回から)。

この二つの看板は同じものではないように見えます。通りに面した方はアルミ枠で角が丸くなっており、一方、2階の窓から見える方は角が丸くなっておらず、大きさもいくぶん小さく見えるのです。

切り取って比較してみます。
↓通りに面して設置された「BAR おーるどりBAR」袖看板(『なつぞら』第45回から)
「BAR おーるどりBAR」袖看板1

↓「風車」2階の部屋から見える「BAR おーるどりBAR」袖看板(『なつぞら』第54回から)
「BAR おーるどりBAR」袖看板2
こうして比べてみると、取付金具も明らかに違っており、全く別の看板であると判断せざるをえません。
設置されている高さも見た感じでは大きく異なっており、どういうことなのか詳細は不明です。
「実は袖看板が上下二つついているんですよ」
というようなことも絶対にないとは言い切れませんが、通常そういうことはないのです。
「いろいろ事情がある」というのが実際のところなのでしょう。

第74回で主人公なつの部屋から下を覗く場面がありました。こう見るとやはり2つついているとしか思えないですね。
朝ドラ『なつぞら』第74回

ちなみにこの窓の外に設置された柵は、『ひよっこ』の「あかね荘」と共通みたいです(窓枠も?)。
朝ドラ『ひよっこ』第88回
(朝ドラ『ひよっこ』第88回から)

この柵は、『半分、青い。』でも使用されていたようです。
朝ドラ『半分、青い。』第71回
(朝ドラ『半分、青い。』第71回から)