使い回しされるポスター（大阪制作の朝ドラ）4

ドラマのセットで使われたポスターに関する短いマニア向けの記事です。

昨日使わせていただいたのと同じ画像です。朝ドラ『まんぷく』第11回から。世良商事の世良勝夫（桐谷健太さん）の後にあるポスター類にご注目を。今回は「北〇チック」の下、「リンゴジュース」の上にあるポスターについて書きます。

切り取って明るくしました。このポスターです。

「リンゴジュース」のポスターで肝心のところが見えません。ポスターには「がんば（ぱ）/カボイ（チ）」と書いてあります。

『てるてる家族』（2003年度下半期）で偶然見つけました。場所はヒロインの父（岸谷五朗さん）が勤める「昭和信託銀行」の外です。

同じポスターが電柱に貼られているのに気づきましたが、カメラの動きが早くてブレている画像しか入手出来ませんでした。申し訳ありません。

一番大きな文字で書かれた2行目は「カボイ」ではなく、「カボチャ」のような感じ。

『まんぷく』の画像を再掲します。

3行目は3文字で白抜き文字のよう。

これらから最初の3行に書かれている文字を考えてみると、

「がんばって
カボチャ
栽培」

とかでしょうか。やはり分かりません。

次の4行目には★★★があり、
5行目はまた「カボチャ（を）」、
6行目「アメリカ種」「アメリカ産」でしょうか、
7行目「現る！」または「帰る！」のような感じ。

いずれにしても意味が通りません。もっとよく分かりそうな画像を探すことにします。

追記です。
記事を公開した後、間を置かずコメント欄に非常に有力な情報をお寄せいただきました。
今からちょうど1年前に投稿された「戦前～戦後のレトロ写真」さんのTwitterを引用させていただきます。

昭和21年（1946年）の東京。これも影山光洋の撮影です。
GHQから貰った米国カボチャの種を都民に無料で配布している所です。
「がんばってカボチャを作れ」という標語が見えますね。この時代イモとカボチャで空腹を満たした人は多かったでしょう。 pic.twitter.com/NTqssPeRZz

— 戦前～戦後のレトロ写真 (@oldpicture1900) May 3, 2020

GHQがカボチャの種を無料で配布していたのですね。全くの創作ではなくオリジナルがどこかにあるのだろうな、とはなんとなく感じておりましたが、まさかGHQ関連だとは思ってもみませんでした。

正解は「がんばって/カボチャ/を作れ」でありました。

それに続く4～7行目は、
「★★★
カボチャの
アメリカ種
來る！」
が正解ということになります。

貴重な情報をお寄せくださったペリエ北原さんに、あらためてお礼申し上げる次第です。

間にある「聯合軍司令部/の好意で」の文言が省かれたことについては、人それぞれ思うところがあるのではないかと感じます。「好意」ではなく「厚意」ではないか、というのも意見の一つとしてあったのではとも。

このページの最初の画像で萬平と世良の間にある「ビタカロン」看板から、時計回りに、
「エアーシップ」
「美紅白〇」
「北〇チック」
「がんばってカボチャを作れ」
「リンゴジュース」
と、一部調査中のものもありますが、それぞれについて独立した記事を書いております。ご興味のある方はご覧いただければと思います。
（2021年5月11日追記）