ドラマの小道具に使用されたフォントの話です。
現在放送されている朝ドラ『スカーレット』に出てきた「Stinger」のミシン(第13回放送)。
この「Stinger」と書かれた書体はかなり古い印象を受けます。
Lincolnというフォントで書いてみました。
びっくりするぐらい似た文字が出てきます。
LincolnのRegularを使用して書いたのですが、このミシンが書かれているのは、全く同じフォントか、もしくはこのLincolnに類する書体なのでしょう。
このStingerミシンは、同じ大阪制作の『べっぴんさん』や『スカーレット』『カーネーション』でも使用されていたようなので、朝ドラをよく観ている人にとっては無意識の中に馴染みのあるものとなっている場合もあったりしますが、しかしそれは実在しない架空のメーカーのミシンなのでした。
元になっているのはやっぱりシンガーミシンでしょう。
『べっぴんさん』第20回からです。
切り取った画像で見るとgの形もよく分かり、Lincolnのgとそっくりさんなのがおわかりいただけるかと思います。
『カーネーション』第8回から。
同じミシンなのだと思いますが、光の当たり具合が素晴らしく、無茶苦茶カッコイイではありませんか。
Stingerミシンは、現在放送中の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』でも使われています。場所は「雉真繊維」の縫製工場内。一番手前にあるミシンにご注目を。
手前のミシンから名前の部分を切り取って横に大きく広げました。
全部はハッキリ読めませんが、先頭にとても特徴のあるSがあるので、Stingerミシンと見て間違いないでしょう。
(2021年11月7日追記)