朝ドラのたばこ屋

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朝ドラの大道具の話です。
複数のドラマで使用されたたばこ屋のセットについて。

『なつぞら』第53回から。
北大に進み下宿している夕見子が、就職試験(東洋動画)に合格したなつに電話をかけているシーンです。
『なつぞら』第53回
電話はたばこ屋の店先にある公衆電話でした。
『なつぞら』第53回

このセットは、『ひよっこ』第70回で「喫茶白猫」そばのたばこ屋として使われていました。公衆電話機もあります。
『ひよっこ』第70回
「似ている」というのではなく、「これらは同じものだ」というのが多くの人が感じるところではないでしょうか。

『ひよっこ』ではそれに先立ち、第1回で「大瀬良たばこ店」として使われています。
『ひよっこ』第1回
小さいので切り取ってみました。
大瀬良たばこ店
同じものに見えるという感じがします。やっぱり電話機あり。

この「大瀬良たばこ店」は朝ドラ常連で、かなり有名なたばこ店のようです。

また、『半分、青い。』では、「喫茶ともしび」の向かいにある「タカハシ商店」にありました。
『半分、青い。』第17回「喫茶ともしび」
(朝ドラ『半分、青い。』第17回から「喫茶ともしび」と「タカハシ商店」)

ちなみに『なつぞら』で夕見子が店先で電話をかけていた北海道のたばこ屋は、もともと「川村屋」横の「小島商店」なのでした(第27回・1955年夏という設定)。同じたばこ屋のセットが違った場所、電柱の向こうあたりに見えています。
『なつぞら』第27回

こちらは翌1956年(昭和31年)春です(第44回から)。たばこ屋のセットがなくなっています。『なつぞら』第44回
東京・新宿の「小島商店」が一時的に急遽北海道(札幌市?)にあるたばこ屋に変身したことはお分かりいただけたと思います。電柱の横の建物はやはり「川村屋」のもので、自転車やほうき等、共通のアイテムが満載です。電柱の看板は他のものに交換されていました。

「小島商店」が北海道のたばこ屋に変わっている間、そばの電柱にあった看板はこれです(↓第55回から)。
『なつぞら』第55回
(東洋動画に初出勤するなつのすぐ後ろに写っている、電柱に取り付けられた清水商店の看板。こちらは屋外ロケ)。

そして一点気になることが。
1955年(昭和30年)夏には「小島商店」の向かって左側の壁にあった「ナワヤ石鹸」の看板が、翌56年春にはなくなっているのです。
撮影時期は不明なものの、一時的にたばこ屋へ変える予定があるので先に外しておいたというところなのでしょう。

その後、「ナワヤ石鹸」の看板は復活しています(第63回から。1957年春という設定です)。
朝ドラ『なつぞら』第63回
「小島商店」のたばこ屋セット部分も元の場所に納まっています。もしかすると少し右寄りになったのかも。
朝ドラ『なつぞら』第63回