「モスリン橋北詰」交差点

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交差点名標識の話です。

「モスリン橋北詰」交差点(兵庫県尼崎市)のGoogleストリートビュー。

標識には、
「モスリン橋北詰
Mosurinbashi Kitazume」
と書いてあります。

「モスリン橋」って、ちょっと変わった名前ではないでしょうか。
「モスリンって何?」とか。

大阪市のウェブサイトにある【毛斯倫大橋(もすりんおおはし)】のページから引用します。

歴史・文化

橋名の由来は、大正末期の初代の橋が毛斯倫株式会社という民間会社の私設橋であったことによる。昭和7年より大阪市が引き継ぎ、道路橋として供用してきた。しかし、幅員が狭いうえ、交通量の増加、桁の老朽化および長年の地盤沈下などの影響により、危険な状態になってきたため、昭和43年、大阪高潮対策事業(嵩上げ)と橋梁整備事業(道路拡幅)の合併事業として架け替えることになった。

新橋は、3径間連続のプレストレスト合成箱桁形式で、中央径間が76.5mあり、このタイプの橋では当時、日本最長であった。2m以上の嵩上げで、高潮による被害の心配がなくなった。スマートなデザインで、桁の色はスカイブルーである。長さ198.8mの橋に7基の橋上灯を設けた。(以下略)

もともと民間会社の橋であったものを大阪市が引き継いだということですが、神崎川の両岸に会社の土地があって、橋を作ってしまうというのは、なんかとんでもないことのように感じます。船で往復していたのでは業務に差し障りがあったのでしょうか。

毛斯倫株式会社の読みは、「モスリン」株式会社。橋の正式名は「毛斯倫大橋」なので、順当なネーミングだなという気がします。

そして、毛斯倫株式会社の社名の由来であろう毛斯倫(もすりん)とは。Wikipediaから引用します。

モスリン(フランス語: mousseline、英語: muslin)とは、木綿や羊毛などの梳毛糸を平織りにした薄地の織物の総称。名称はメソポタミアのモースルに由来するとも、そのふんわりとした風合いを示すフランス語のムースに由来するとも言う。ヨーロッパではモスリンは薄手の綿織物を指し、またアメリカ合衆国ではキャラコのことをモスリンと呼ぶ。日本語では先行して流入した毛織物のメリンスとの混同があって、主に毛織物をモスリンと呼ぶ。

私の場合、「モスリン橋」の英字表記がどうなっているかが気になっていたところ、見てみると英語のMuslinではなくローマ字のMosurinになっていたので、「やっぱり」と感じたのでした。

この「モスリン橋」ですが、時々橋の脇を通り、またそう頻繁にではないのですが橋も利用することがあるので(大阪空港方面に行く際には近道なのです)、身近に感じている橋です。

ちなみに、以前書いた【淀川区十三近辺にかつてあった喫茶店】の「ドン」のところでも紹介した1982年公開の日本映画『野獣刑事』に、この「モスリン橋」は頻繁に登場しています。