ドラマの小道具に関する短い記事です。
朝ドラ『ブギウギ』第54回から。東京で下宿している村山愛助(水上恒司さん)の部屋です。ドアに貼られたポスターにご注目を。
最初の画像から切り取って補正したもの。
「1923」「SCHNAPSIDEE」の文字が確認出来ます。1923年なら今からちょうど100年前。全体で「S」の形になっていて、なんとなく「前衛」という言葉を連想してしまいます。
調べたところ、「BAUHAUS」がキーワードになっている似たポスターがたくさんヒットしました。
「BAUHAUS」について、Wikipediaから引用します。
バウハウス(ドイツ語: Bauhaus)は、1919年、ヴァイマル共和政期ドイツのヴァイマルに設立された、工芸・写真・デザインなどを含む美術と建築に関する総合的な教育を行った学校。また、その流れを汲む合理主義的・機能主義的な芸術を指すこともある。無駄な装飾を廃して合理性を追求するモダニズムの源流となった教育機関であり、活動の結果として現代社会の「モダン」な製品デザインの基礎を作り上げた。デザインの合理性から、幅広い分野にバウハウスの影響が波及しており、特に理由がない限り標準的なデザインとして採用されている。
『ブギウギ』のポスターに記されている「SCHNAPSIDEE」は、ドイツ語で【ばかげた思いつき〈考え〉】の意味。命名理由の本当のところは不明です。
追記です。
使用されているフォントが「Saki Medium」にほぼほぼ近いので真似て描いてみました。ファイル形式はSVGです。
オリジナルとは異なっているのでご了承ください。
(2023年12月22日追記)
さらに追記です。
この「SCHNAPSIDEE」とドイツ語で書かれた「バウハウス」風のポスターについて、100年前から(ドイツに)あったものであるとしていらっしゃる方のSNS投稿が散見されます。「SCHNAPSIDEE」のポスターは1923年に描かれたものではありません。私も「当時にはなかった」とハッキリと書かずにおり少々反省するところですが、今回『ブギウギ』の為にNHKの美術スタッフさんが「バウハウス」をある程度意識して制作されたものです。
そして、ドイツ語は依然からきしダメなのですが、「SCHNAPSIDEE」の発音はわりと日本人にも簡単そうなのに気づいたので、「SCHNAPSIDEE」と何人かの方(ネイティブです)が発音されているサイトをご紹介します(↓)。
「シュナップスィーディー」と私には聞こえます。元になった2つの言葉「Schnaps」(蒸留酒)と「Idee」(考え)は、やはり分けずに言うようです。
ところで、ヒロイン・スズ子(趣里さん)と愛助が一緒に住む三鷹の家にも「SCHNAPSIDEE」ポスターはありました(第67回から)。
一部が「WATERUP CONSTANTGOBERN-COAST 1930」と記されたポスターの下になってしまっていますが、やはり愛助のお気に入りのポスターなのでしょう。
(2024年1月8日追記)
上のポスターにある「WATERUP CONSTANTGOBERN」の意味が分かったので別記事を投稿しました(↓)。
(2024年1月16日追記)
追記です。
番組公式Xにポスターの文字が比較的よく見える写真がありました。
「SCHNAPSIDEE」の箇所を切り取って明るくなるように補正した画像です。
文字はグレー一色(+黒い影)ではなく、黒の細い線が数本入ったフォント(+影)で書かれているようです。「1923」の部分も含めておそらく「Prisma Pro Regular」。気づいたので。
(2024年1月19日追記)
さらに追記します。
大阪放送局で開催されている『ブギウギ』の「セット公開」に行ってまいりました。
スズ子と愛助の部屋も公開されていて、そこにはやはり「SCHNAPSIDEE」と「WATERUP CONSTANTGOBERN-COAST 1930」のポスターもありました。
使用されているフォントは「Prisma Pro Regular」とかなり似ていますが、細部が少し違っていました。
ちなみに、許可を得てポスターの寸法を測ったところ、いずれのポスターもB3サイズ(W364×H515)であるのが分かりました。何かのご参考になれば幸いです。
(2024年3月1日追記)