ドラマで使用される看板に関するマニア向けの記事です。
昭和18年(1943年)の岡山市内。葬送の列に深々と頭を下げるのは雉眞千吉(演:段田安則さん)。戦争で犠牲になった兵士なのでしょう(朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第14回から)。
奥に見える電柱に取り付けられた看板2枚は、いずれも大阪制作の朝ドラではよく使われます。
左の「竹野屋呉服店」の看板は、すでに記事にしておりました(↓)。
前回の『おちょやん』では、大阪・道頓堀、「鶴亀座」の入口にある電柱に設置されていました。画像は第7回から。
「竹野屋呉服店」の看板部分を切り取っています。
大正5年(1916年)の看板ですが、古そうなのでやはり明治時代からここにあると考えるのが妥当でしょう。
そして右にあるこの看板。実に不鮮明な画像で申し訳ありません。
看板には「塩田商店」と書いてあるのですが、ご存じない方からすれば「そうかなあ」というレベルでしょう。すみません。
前回、大阪で制作された朝ドラ『おちょやん』では、2か所にありました。こちらはオープンセット。左に「塩田商店」の看板があります。
書かれている文字は「さらし 手拭 塩田商店」なのでした。上のマークは「ミツワ石鹸」と似ていますが、輪の重なり具合が異なっています。
屋内のセットではヒロイン千代が働く芝居茶屋「岡安」の近くにありました(第18回から)。
暗いので補正しました。
少し斜めになっていますが、看板の様子がかなりハッキリ分かる画像です。
『おちょやん』の前の『スカーレット』では、滋賀・信楽にある「大野雑貨店」近くの電柱にありました(『スカーレット』第14回から)。
「塩」の左に、うっすらと「池田」の文字があるような。
「塩田商店」の看板は、『マッサン』(2014年度下半期)でも使用されていました(第91回から)。場所は大阪市内。
『マッサン』で使われた時には、左に小さくてとても見づらいのですが、「池田市」の文字がかろうじて読み取れるので、「これは『てるてる家族』から来たのか?」と普通は考えるでしょう。
『てるてる家族』(2003年度下半期)の第6回からの画像。池田市の「サカエ町商店街」です。右に「塩田商店」の看板が。
左にある文字は「池田市栄町二丁目」と読めそうです。
『カーネーション』(2011年度下半期)では、『てるてる家族』で使われた看板が実にたくさん再登場していたのですが、この「池田市栄町二丁目」の文字が入っている「塩田商店」の看板はそのままの状態では使いづらかったのでしょう、出番はなかったようです。
「塩田商店」の看板について、私が知っている範囲でまとめました。
- 『てるてる家族』(2003年度下半期) 池田市「サカエ町商店街」内
- 『マッサン』(2011) 大阪市内
- 『スカーレット』(2019) 滋賀・信楽
- 『おちょやん』(2020) 大阪・道頓堀
- 『カムカムエヴリバディ』(2021) 岡山市内
おそらく『てるてる家族』で使われたのが初めてで、『スカーレット』以降では「池田市」以下の文字がほとんど見えない状態での使用です(『カムカム』では「塩田商店」の文字もよく見えないです。。)。
意外と少ないのでちょっと驚いております。もっと多いのだと思っていました。
他の朝ドラで使用されていたのが確認出来れば追記します。