ドラマのセットで使用される看板に関する短い記事です。
朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第45回から。ジャズ喫茶「Night and Day」の前です。手前に見える看板のご注目を。
置看板には、「STAND BAR/マンロー/(スタ)ンドバー」と書いてあります。
この置看板は多分『カムカムエヴリバディ』で初めて使われたのだと思いますが、制作されたのはおそらく『おちょやん』の時期なのではないかと考えます。
マンローは、実店舗がヒロイン千代が住み込みで働く「岡安」のすぐそばにあったのですが、『カムカムエヴリバディ』では今回は壁に取り付けられていた看板はまだ登場せず、置看板だけが使われています。
『おちょやん』のマンロー看板の画像です。暗い画像で申し訳ありません(第18回から)。
画像から看板部分を切り取りました。
『カムカムエヴリバディ』の「マンロー」看板と同様の配置なのですが、カタカナは右から左への横書きで記されていました。『カムカムエヴリバディ』の看板は、『おちょやん』で戦後の復興期に使われる予定だったのではないかと想像するのですが、確実なところはNHKの美術班の方にお訊きしないと分かりません。勿論、「『カムカムエヴリバディ』用で作ったのだ」ということも当然あり得ます。
『おちょやん』の「マンロー」が映っている昼間の画像です(第7回から)。分かりづらいのですが、画像の中央にある洋風の建物が、スタンドバー「マンロー」です。
また、道頓堀の一角に設置されたアーチ型看板に「マンロー」の名前を見ることが出来ました(【連続テレビ小説】おちょやん よいお年を!から)。
『カムカムエヴリバディ』で「マンロー」の実店舗が映る等、何か新しいことが分かれば追記します。
第50回で、「マンロー」の置看板の下の方が映っていたのでチェックしてみます。
切り取って色補正しました。
赤い菱形の部分は、「m」または「M」をかたどった「マンロー」のマークなのでしょう。
同じマークが『おちょやん』のアーチ型看板にもありました。こちらは戦前の看板。
「スタンドバー」や店名「マンロー」の書体や、グラスのイラストもほぼ同じで、基本的なデザインは変わっていないことが分かります。
『おちょやん』で、壁に取り付けられた「マンロー」看板の比較的明るい画像がありました(第53回から)。
切り取ってさらに明るくしました。
やはり赤い菱形があります。ハッキリは見えないものの、これは「マンロー」のマークであると考えるのが妥当なところ。つまり、『カムカムエヴリバディ』の置看板は、戦前からの看板デザインが見事に踏襲されているということ。
そうなると、『カムカムエヴリバディ』で使われた「マンロー」の置看板は、本放送で使われることがなかったものの、『おちょやん』の制作時に作られたものであろうという印象がさらに濃くなりました。実際のところは分からないのですけれども。
ちなみに、この置看板の本体は、『スカーレット』では「カフェ サニー」、『まんぷく』では「大衆食堂 やまね」の看板として使われていたのと同一のもの。
『おちょやん』の世界では、本体も看板面も見なかったので、このままの姿で出番を待っていたのかも。
「待たせて悪かった」です。
(2022年1月24日追記)