ドラマのセットで使用された看板に関する記事です。
朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第17回から。ヒロイン安子の実家がある朝丘町商店街の中でも、最も目立つ店舗である荒物店です。看板に注目してみます。
「荒物」の間に「あかにし」の字が入った屋号紋(図柄は貝でしょうか)があり、「岡山」「朝丘町」に挟まれるように、大きな赤い字で「あかにし」と書かれています。
かなり大きな看板で、左右の柱部分が凝った造りになっているのでどうしても目立ちます。枠や柱部分を含めた本体が、使い回しされた看板ではないかと過去に大阪局で制作された朝ドラをチェックしましたが、分かりませんでした。
「あかにし」の立派な看板は残念なことに空襲で実に悲惨な状態になってしまいました。もちろん被害に遭ったのは看板だけではなかったのですが(画像は同じく『カムカムエヴリバディ』第17回から)。
ここは局内のセットではなく、大阪制作の朝ドラでは闇市の場面でよく使われる、住友大阪セメント伊吹工場跡でしょう。
ただ、奥のレンガ色した建物はCGであると思われます。朝丘町商店街の画像(『カムカムエヴリバディ』第2回から)。左側にレンガ色の建物があります。これもCGなのかどうかは、実は自信がないのですが。
追記です。
第61回で、京都の街(あかね通り商店街)に「あかにし」の看板がありました。岡山から移転したのでした。岡山にあった店の看板は残念ながら失われているので、これは別物。
切り取りました。
岡山の店の看板と比較すると、幅は半分、高さは3分の2くらいになっています。岡山の看板がかなり大きかったので、小さな看板というわけではありません。
そしてこの看板本体は、『カーネーション』では「テーラー周防」、『べっぴんさん』では「浮島時計店」、『おちょやん』と『カムカムエヴリバディ』の岡山では「帽子店 峯松」の看板として使われてきたものです。
(2021年1月27日追記)
「あかにし」は、荒物店ではなく、電気店として営業を続けています。画像は第63回から。1975年という設定です。おもちゃの刀を持って立っているのは3代目ヒロインのひなた(新津ちせさん)。
「あかにし」の看板を切り取ります。
従前の看板と比較すると、文字は現代風にアレンジしたものである印象です。全く違った書体なのですが、なんとなく似たイメージ。「電」と「気」の間には、小さいながら貝の絵が入っているのだと思われます。
ちなみに、「あかにし」には包装紙があって、これにも看板が描かれています。画像は第93回から。
包装紙に描かれている看板は、京都で以前使われていた「荒物 あかにし」の看板ですね。
赤バージョンと白バージョンがありますが、人気があるのはきっと赤バージョンなのでしょう。
(2021年3月16日追記)