ドラマの小道具に関する短い記事です。マニア向け。
朝ドラ『なつぞら』第32回の静止画像。ヒロイン・なつ(広瀬すずさん)が住む北海道・十勝の家。ドアに貼られているカレンダーに注目します。
切り取って補正した画像ですが不鮮明で申し訳ありません。
とても見えづらいのですが、大きく書かれている白い文字は「日馬丹文具店」です。
以前は読み方が全然分からなかったのですが、ごく最近になって制作者の意図に気づきました。「日馬丹」で「ヒマタン」と読むはずです。「ヒマタン」はAKで制作された複数の朝ドラで使われる小道具のブランド。
『ひよっこ』(2018年度前期)で使われた「ヒマタンクレンザー」や『おかえりモネ』(2021)の「ヒマタン牛乳」が割とよく知られています。前回のAK作品である『虎に翼』に登場した「ヒマタンビール」は今回の『あんぱん』でも使われます(第6週以降)。
複数のAK作品に種々の製品を供給してきた「ヒマタン」ですが、この「日馬丹文具店」はちょっと違っているような様子です。
さらに引用する画像は『なつぞら』第38回から。先ほどの画像と同じ場所に貼られたカレンダーですが、年が替わって(1956年)新しいものになっています。
「文具店」の部分を切り取った画像です。
下には「帯広駅 正面」と記されているので、「日馬丹文具店」は帯広駅前にある文具店なのだと分かります。クレンザーや牛乳の「ヒマタン」との関係は不明ですが、「日馬丹」の読み方は「ヒマタン」以外にはちょっと考えられません。
「ヒマタン」は奥が深い。
それは知れば知るほどに、です。