テレビドラマの屋外セットに関する短い記事です。
朝ドラ『虎に翼』第2回から。東京にあった猪爪家の外観です。左側に大きく映っている建物が猪爪家。白い蔵の手前になります。
別アングルからの映像(第2回から)。
場所は「ワープステーション江戸」という野外型ロケ施設です。同施設内で具体的にどこで撮影されたのかについて、上の画像を使って既に記事にしておりました(↓)。
今回の記事では、この猪爪家のセットがいつ出来たのかを考察していきたいと思います。
引用画像はX(旧Twitter)から。撮影がスタートした2023年9月28日とのこと。
朝ドラ『虎に翼』番組公式Xから
実は、この猪爪家の建物は、一部が前の朝ドラAK作品である『らんまん』制作時に映っていました。
画像は『らんまん』第26回から。主人公の槙野万太郎(神木隆之介さん)たちが、たくさんの植物標本を大八車に乗せて下宿先を探し求める場面。正面奥が猪爪家のある場所となります。
先に引用した『虎に翼』の猪爪家を正面から映した映像(第2回)。
『らんまん』の映像とは随分違っています。『らんまん』では2階建ての建物が独立しているのですが、『虎に翼』の猪爪家は左側の建物と棟続きになっているので、増築が行われたのだろうと思われます。
Google Earth Proで公開されている2023年7月26日撮影の画像です(↓)。
ここから猪爪家のあるT字路の部分を切り取ります。中央にあるT字路の右が猪爪家のある場所。
『らんまん』に映っているのと同様に、隣の建物とは離れた状態でした。
今年(2024年)5月5日撮影の画像(↓)。
2023年の画像と比較するとかなり見づらい状態ですが、同じT字路のある部分を切り取ってみます。
猪爪家は番組(既に本放送が始まっています)と同様の姿であるように見えます。
空から見たこの状態になったのが、撮影開始日の2023年9月28日以前であるのは明らかです。
ただ、それはGoogle Earth Proが公開している同年7月26日以降であるのも明らかなわけです(2023年7月26日撮影のGoogle Earth Proの画像を再掲↓)。
わずか2か月の間に猪爪家の増設部分を作ったということなのです。私は看板屋で建築の方は素人に近いのですが、この期間にこれだけのものを作ったというのはかなり速い仕事なのではないかと感じます。「ごく普通です」というご意見がもしかするとあるかもなのですが。
Xの引用画像を再掲。
増設するだけでなく、既存の建物を撤去しなければいけなかったので、実に驚きです。
猪爪家の増設にとどまらず、その先の坂道が階段に変わっているのも含めての工事なので尚更すごいなと感じるのです。画像は『ゲゲゲの女房』(2010年度上半期)第7回から。
通りの端は、以前は坂道になっていたのです。
坂がなくなり、代わって階段になっているのが見て取れます(『虎に翼』第34回から)。
とても暑い時期に行われた工事なので、仕事とはいえ、スタッフさんたちのご苦労を考えると申し訳ない気持ちになってきます。
他に気づいたことがあれば追記します。
追記です。
現在放送中の『あんぱん』では高頻度でこの場所が使われています。
猪爪家は「御免与町寄合所」に変身。階段はなしに。
(2025年4月25日追記)