ドラマで使われた貼り紙に関する短い記事です。
朝ドラ『エール』第85回から。報国音楽協会の一室です。裕一に対して、戦地へ慰問する為に出発するのは五日後であると伝え、さらにメモ帳に書いた小山田耕三から預かった伝言を読み上げる責任者。壁に貼られた紙にどのような内容が書いてあるのかが気になります。
切り取りました。「報國音樂協會訓」と書かれています。
別の回(第79回)の画像。
同様に切り取りました。明るく見やすいのはこちらです。
全部の文字が読めそうなので書き起こしをしました。
報國音樂協會訓
第一條 皇國に生まれ樂しく歌へる事を感謝します
第二條 何人に負けず音樂を追つて努力します
第三條 常に頭を働かせ、音樂の改善を工夫します
第四條 自分の行動には何処までも責任を持ちます
第五條 私の利害を顧みず、公に盡くすを念とします
これとよく似ているであろう文が、音が慰問に行った先にありました(第79回から)。後ろの壁に貼られています。
切り取ったものの、かなり不鮮明です。
ただ、右の大きめの文字は「勤勞(労)訓」と書いてあるように見えます。5条からなる標語で、第1条は「皇國ニ生マレ」から始まっているように見えるのです。
「勤勞(労)訓」で画像検索してみると、Twitterで見つかりました。
「勤労訓」と「国民皆働の歌」 pic.twitter.com/KwBzM52CeE
— 自由古書園「海つばめ」 (@oburo72) July 4, 2018
画像から引用させていただきます。
勤勞訓
第一條 皇國に生れ樂しく働けるのを感謝します
第二條 仕事に負けず仕事を追つて努力します
第三條 常に頭を働かせ仕事の改善を工夫します
第四條 自分の仕事は何処迄も責任をもちます
第五條 私の利益を捨てゝ公に盡くすのを念とします
慰問先の文書と比べてみると、かなり不鮮明な画像からでありながらもほぼ同じ文であろうことが確認出来て驚きました。そして「報國音樂協會訓」は、これが多分オリジナルなのだろうという印象を持ってしまった次第です。