ドラマの小道具に使用されたフォントに関する短い話です。
朝ドラ『スカーレット』でヒロイン喜美子が入学を希望している「レノア美術研究所」のパンフレット。
表紙に印刷された文字のフォントは金文体と酷似しています。
金文体(W5)で書いてみました。
比較すると、ドラマの文字は角がゴシックのようになっているので違うフォントであるのは明らかです。
市販のフォントでその存在を知らないので、「金文体を改変した?」と思ってしまいます。実際のところはドラマ制作者に聞かないと分からないですけれども。
喜美子のセリフで「中淀のレノア美術研究所」というのがあり、思わず「それって大淀区?もしかして東淀川区?西淀川にはそういうハイカラなのは多分なかったんですけどぉ」とか想像してしまいました。そのうちに分かるのでしょう。
結局喜美子はこの「レノア美術研究所」で学ぶことがなく、「中淀ってどこがモデルなのか」は分からずじまいになっていましたが、第108回放送のおしまいに翌週の予告編があり、そこに写っていた印刷物の中に「中淀」の文字がありました。印刷物はちや子(演:水野美紀さん)の顔写真入りで、「中淀市議会議員候補者」と書かれたものです。
「中淀」と聞いて大阪市内の架空の区であると思い込んでおりましたが、ドラマの中では区ではなく、おそらく大阪府内にある市であるということです。私としては大阪府枚方市あたりだと「中淀市」にぴったり来るイメージなのですが、これは人によって意見が分かれるところでしょう。