「松藤」(朝ドラ『カムカムエヴリバディ』)

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ドラマのセットに関するごく短い記事です。

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第6回から。岡山市内です。
手前はジャズ喫茶の「ディッパーマウスブルース」。大阪で前回制作された朝ドラ『おちょやん』では「ほていパン」の建物でした

ドラマのセットに関するごく短い記事です。 朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第4回から。ジャズ喫茶の「ディッパーマウスブルース」の入口です。 ...

今回は、奥の建物にご注目を。
朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第6回から

看板の部分を切り取ってみました。「松藤」「まむし」と書いてあります。まむしの料理を提供するお店なのでしょうか。
朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第6回から

『カムカムエヴリバディ』の番宣番組で、「松藤」がかなり大きく映っている場面がありました。
番宣番組『もうすぐ!連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」』から
店舗部分を切り取ります。
番宣番組『もうすぐ!連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」』から
だいたいの様子が分かりました。

まむしの店「松藤」は、『おちょやん』で大阪・道頓堀に同名の店舗がありました(第7回から)。
朝ドラ『おちょやん』第7回から

「ゑびす座」の隣です(『おちょやん』第8回から)。
朝ドラ『おちょやん』第8回から

第7回の画像から看板部分を含めて切り取ります。
朝ドラ『おちょやん』第7回から
上の松をかたどった看板と、下の3枚で1組となる平看板は同一のもの。看板だけでなく、建物も同じに見えます。

番宣番組の「松藤」画像を再掲。
番宣番組『もうすぐ!連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」』から
同じ様に『おちょやん』の道頓堀で元「ほていパン」だった「ディッパーマウスブルース」の建物にはかなり変更点がありましたが、全部は確認出来ないものの、「松藤」はそのままの姿でやって来たようです。

ところで、「松藤」の看板が戦後の京都市内にありました。『おちょやん』の第104回です。屋台店のような場所に座っているのは、漫才師の花車当郎(演:塚地武雅さん)と脚本家の長澤誠(生瀬勝久さん)。1951年(昭和26年)という設定です。
朝ドラ『おちょやん』第104回から
街灯に取り付けられた電飾袖看板を切り取ります。
朝ドラ『おちょやん』第104回から
袖看板には「鰻 まむし 松藤」「電話 南 二九六三番」とあります。
現在京都市にも南区はありますが、南区が下京区から分区になったのが1955年(昭和30年)なので、1951年の『おちょやん』の世界では京都市南区はまだありません。この「南」は大阪市の南区でしょう。やはり道頓堀からそのまま持って来たと考えられます。

ちなみに、大阪で「マムシを食べる」と言えば、それは「鰻」のこと。岡山でも当時そうだったのかどうかは残念ながら不明ですが、鰻は扱っていなくて「まむし」だけの店というのも考えづらいところです。きっとそれは「鰻」のお店。

番宣番組の「松藤」画像から「まむし」の部分を切り取りました。
番宣番組『もうすぐ!連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」』から
「ま」の字の右側7割くらいが電柱の陰に隠れてしまっていますが、「ま」の右に「鰻」の字はどう見ても入ってなさそうです。よって、この平看板の文字は、やはり「まむし」だけ。そして「し」の形をしているのは、いかにも鰻なのでした。

「(鰻)まむし 松藤」の建物や看板が使い回しされているのが確認出来れば追記します。