ドラマのセットで使用される看板についての短い記事です。
番宣番組『もうすぐ!連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」』の画像。岡山市にある朝丘町商店街。大正14年(1925年)という設定です。画像付近にある写真館にご注目ください。
切り取りました。
平看板と袖看板に、それぞれ「光陰寫眞舘」と書いてあります。
「光陰寫眞舘」(光陰写真館)は、先に『スカーレット』で出番がありました(第28回から)。こちらは昭和30年(1955年)の大阪です。
平看板の方は、ほぼそのままの状態で再登場しているようです。見づらくハッキリしないのですが、上の出っ張った部分だけが少し違うのかなという印象。店名の上には、「おもひでいつまでも」の文字。袖看板は別物です。
実はこの「光陰寫眞舘」の平看板は、『カーネーション』(2011年度下半期)で「境屋本舗」の看板として使われていました(第1回から)。
勿論書かれている文字が同じなのではなく、看板の本体と枠が同じで、文字の部分は書き換えられている、という意味で同じ看板であると判断しております。
横長の「凸」の形をした看板で、上の出っ張った部分の縦横比、そして出っ張った部分の看板全体に占める割合や柱の装飾(ギボシ風)から、同じものであると考えられます。
袖看板に似た左右のパーツは使われていませんでした。
また、『カムカムエヴリバディ』で使われた「光陰寫眞舘」の袖看板は、敵性語が入っている為に、戦時中はその部分だけが塞がれて文字が見えない状態になっていました(第9回から)。
そして、商店街内で向かいにある「パン屋 シムラヤ」の看板も、側面の看板に敵性語が含まれていたのか、文字が隠されています。
「シムラヤ」の名は、『エール』にご出演中にお亡くなりになった志村けんさんへの追悼の意があるのだろうなと思う方が多いのでしょう。
ちなみに、「戰地の兵隊を思へ」看板は、岡山駅の場面でも使われるようです。
追記です。
番宣番組『もうすぐ!連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」』で制作中の様子が映った際に「光陰寫眞舘」の看板も見えていました。
平看板の部分を切り取りました。
中央の出っ張り部分の左右には丸い飾りがついて、柔らかな印象に変身していたのでした。そして、「光陰寫眞舘」の読み方に実は迷っていたのですが、以前はなかったアルファベット表記があり、「KOUIN PHOTO STUDIO」と読めるようなので、「光陰」は「こういん」であると判明しました。「光陰矢の如し」がその由来でしょうか。
そして、番宣番組の画像からも分からないのですが、戦時中に袖看板の下部が隠されたのは、「KOUIN PHOTO STUDIO」があったからなのだろうと推測されます。
(2021年11月28日追記)