「鉄板看板」10年前のブログから

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『車両』10年前のブログから」に続き、このページでも10年前のブログから引用します。

「鉄板看板」

現在のようにカラー鉄板はなく、全部亜鉛引きで刷毛塗りをして色をつけていました。昭和30年代初期の塗料は自然乾燥型で、冬になると乾燥するまでには3、4日を必要としました。その為、ドライヤーという乾燥液を少し入れて塗装するのが常であり、この液の分量を間違えるとひび割れの原因となるので、注意が必要でした。
看板を塗装して、乾燥が完了するといよいよ字書きに入ります。字書きに先ず必要な割付け・下書きは、現在のようにダーマ(ダーマトグラフ)等ではなく、「青竹」という微粒子の粉末を水で溶き、その青い水を使用しました。
エンピツでは後が消えることはありませんが、この青竹は、太陽光線が当たることによって線が自然と消えていく性質を持ち、それが当時の割付け・下書きに最適で、看板屋は好んで使っておりました。注文客からは、「この線は放っておいても消えるのですか」と、その都度訊かれるのが普通でした。
当時の看板枠に使う木材は国産が多く、中でも杉は水に強く、古い看板の骨組にこの杉材が使われているのは、看板を撤去した際よく目にするものであります。

(2008年3月13日公開)

カラー鋼板を購入する機会はめっきり減りました。
直近では2015年暮れです。
シャッターや建物外壁に字書きをしたりはしますが、カラー鋼板で看板を作るということが本当に少なくなったのです。
カラー鋼板を以前購入していた業者は廃業してしまいました。
申し訳ない気もしますが、それも時代の流れで仕方ないのでしょう。

道具はそろっておりますので、「字は手書きで、カラー鋼板を使った古い感じの看板を作ってほしい。」という方はぜひお問い合わせください。
書き替えにも勿論対応いたします。