ドラマのセットで使われる看板に関する短い記事です。マニア向け。
朝ドラ『虎に翼』第84回から。友人の涼子(桜井ユキさん)やお付きだった玉(羽瀬川なぎさん)がいる喫茶店「ライトハウス」のある「白山浦ビルヂング」へ入っていくヒロイン・寅子(伊藤沙莉さん)です。通りの奥にちらっとだけ見えている看板に注目します。
切り取って明るくした画像。
初めてご覧になった方には「これが一体どうしたの?」とお叱りを受けそうな切り取り画像です。
同じ看板が、朝ドラ『ひよっこ』(2017年度上半期)で使われていました。画像は第75回及び80回から。
2枚目の画像から看板部分を切り取って明るくしたもの。
緑色の看板で、黄色い文字で「お茶のやました」とあります。
部分的になのですが、『なつぞら』(2019)でかなりよく見える画像がありました。第11週の予告編から。
「贈り物にはお茶を
品質本位
お茶のやました」
の文字が記されているのでした。
『虎に翼』では、この「お茶のやました」の看板が映るまで、これまでの朝ドラとは違って、過去作品で使われた看板が全く登場しませんでした(主なロケ地の一つである ワープステーション江戸 内の常設看板を除きます)。
「このドラマでは他の朝ドラの看板は使われないのかも」と思っていたので、少し意外な感じがします。やはりウレシイのですが。
誤りに気づいた時には速やかに訂正します。
追記します。
「お茶のやました」の新バージョン広告が、現在放送中の朝ドラ『あんぱん』に登場しました。画像は第34回から。主人公・嵩(北村匠海さん)と高等芸術学校の友人・辛島健太郎(高橋文哉さん)が高知から東京へ戻る列車の中です。昭和12年(1937年)という設定であるせいか、右から左への横書きに変更されています。
新バージョンの広告(または看板)がより古い表記法だというのが実に興味深いです。
そして、「お茶のやました」の看板が『虎に翼』の新潟編で使われた件について。
新潟で勤務している間に寅子は星航一(岡田将生さん)と親しくなっていったのですが、「お茶のやました」の看板が目立たないけれども新潟で使われたのは、岡田さん(『なつぞら』ではヒロインなつの兄・咲太郎)が寅子の父・直言(岡部たかしさん)と顔を合わせる場面が『なつぞら』にあったことと無関係ではないと思うのです。
『なつぞら』では、岡部さんはなつたちの実母の従姉妹・川谷としの夫・川谷幸一役で、この時(『なつぞら』第66回)なつと咲太郎は妹の千遥が川谷宅にいるのではと会いに来たのでした。
全く別のドラマですが、星航一(岡田さん)が、妻となる寅子の亡父(岡部さん)へ挨拶する意味が含まれているのではないのかと。深読みしすぎかもですが。
(2025年5月15日追記)