朝ドラ『スカーレット』「大野雜貨店」看板の「雜」の字

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ドラマに出てきた看板文字の話です。

朝ドラ『スカーレット』「大野雜貨店」の看板文字がちょっと気になります。画像は第7回放送から。

令和の今なら「大野雑貨店」と書くはずです。平成はもちろん、昭和でも40年代くらいなら多分こうは書かなかったと思います。

久しぶりに漢和辞典を紐解くと、ありました「雜」の字。やはり「雑」の旧字体ということです。

この第7回放送では昭和22年(1947年)ということで、看板の古さから考えると「大野雜貨店」の看板が書かれたのはやはり戦前か戦中ということになります。まだ新字体が出る前なので、「雑」ではなく旧字の「雜」を使用したということなのでしょう。

「雜」の左側に「口」を持ってくれば「囃」の字になるので、「雜」の字を見ていたらなんか雛人形を思い出してしまったのはそういうわけなのだなと変に納得しました。あ、「五人囃子」から連想したのです、多分。


追記です。
『カムカムエヴリバディ』(2021年度下半期)に、「大野雑貨店」の袖看板が映っていました。予告編の画像はTwitterからお借りしています。
朝ドラ『カムカムエヴリバディ』予告編から
切り取ります。
朝ドラ『カムカムエヴリバディ』予告編から「大野雑貨店」袖看板
「小間物/日用品」は変わらないのですが、全く別の袖看板で、『カムカムエヴリバディ』の為に作られた看板だと思われます。「大野雜貨店」なのか「大野雑貨店」なのか、この画像からは判断がつきかねます。でもなんとなく「雜貨店」のような感じに見えますし、時代設定からしても旧字体で書かれているのが普通だと思うので、きっと「大野雜貨店」です。

この(新)袖看板もそうですが、『スカーレット』で使われていた時の看板が映っていないかもチェックするべきでしょう。
(2021年10月23日追記)