ドラマの中で使用された映画のポスターに関する短い記事です。
朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第7回から。「銀馬舘」という岡山市内にある映画館です。昭和15年(1940年)という設定。手前の男性はヒロイン安子の兄・算太を演じる濱田岳さん。濱田さんが見上げているのは真ん中の看板(ポスター)ですが、ここでは左側の看板にご注目を。
切り取りました。この看板です。
「戀愛譜」の「戀」は、「恋」の旧字体です。現在の表記だと「恋愛譜」。
全く同じ内容のポスターが、朝ドラ『花子とアン』で使われていました(第121回から)。
「原作 宮本蓮子」と記されているので、これはヒロインはな(演:吉高由里子さん)の腹心の友である白蓮こと宮本蓮子(演:仲間由紀恵さん)のことですね。
そうすると、このポスターは『花子とアン』の為にNHK東京が作ったのが明白である、ということになります。
東京で制作された朝ドラの小道具が大阪局で使われるのは珍しいことだと認識しているので、やや意外な気がします。
大きさが明らかに異なっているので、画像ファイルのやり取りだけして大阪で作ったのかも。
やはり、この点は美術班の方に訊かないと、実際のところは分からないですね。
『カムカムエヴリバディ』第2回では、同じ「銀馬舘」で違う看板が掲げられていました。時期が違うので(こちらは昭和8年でした)、当然と言えば当然なのですが。
それぞれを切り取りました。
左は「靑春のささめ雪」。
真ん中は「桃から生まれた劍之介」。主演は桃山劍之介なのでしょう。
そして右は「母慕情」。
これらのうち、左の「靑春のささめ雪」と右の「母慕情」は、『まんぷく』で使われていました。昭和13年(1938年)の大阪です。「浪花劇場」という映画館。「靑春のささめ雪」と「母慕情」の看板は、「浪花劇場」看板のすぐ左にあります(第2回から)。
切り取りました。
『カムカムエヴリバディ』の「銀馬舘」で使われたこれら2枚の看板は、『まんぷく』で使われた看板を、枠だけ変更してそのまま使用している感じです。
ちなみに、昭和8年の「銀馬舘」の画像には「夕陽ビール」の幟がありますが、「夕陽ビール」が初めて使われたのは『おちょやん』の時でした。『おちょやん』では「夕陽ビール」の表記は一切なく、「YU-HI BEER」の文字から、「夕陽(夕日)ビールだろうな」と想像した人が多かったのでした。
Twitter 朝ドラ「おちょやん」放送中さん から引用