ドラマで使われる小道具に関する短い記事です。マニア向け。
現在放送中の夜ドラ『VRおじさんの初恋』第20回から。主人公の遠藤直樹(野間口徹さん)が会社の同僚である佐々木瞳(堀内敬子さん)と社屋の屋上でお酒を飲む場面。2人がそれぞれ手に持っている酒類に注目します。
比較的分かりやすそうな映像が第20回のおしまいあたりにありました。
まず、直樹(野間口さん)が飲んでいた缶です。切り取った画像。見えづらくて申し訳ありません。
これだけではどんなものなのかが全然分かりません。
実は過去に放送された他のNHKドラマにこの缶飲料が映っていました。
引用する画像はNHKドラマ『きれいのくに』(2021年4月12日~5月31日)第4話から。
テーブルの上に置かれた缶のうち、左から3本目の缶を切り取りました。
『VRおじさんの初恋』で直樹が飲んでいた缶画像を再掲。
かなり不鮮明で書かれている文字は全く読めないのですが、それでも「同じ缶だな」と判断出来ます。
『きれいのくに』でこの缶がかなりよく見える場面がすぐ後にありました。蓮佛美沙子さん(佐川恵理役)が飲んでいらっしゃいます。
缶の部分を切り取った画像。
大きく「Super Highball 丸」、その右下に「お酒」「ハイボール」の表示があります。「Super Highball 丸」という名前のハイボールなのでしょう。架空の商品。
中央一番下にある「7%」の左は、きっと「ALC.」の表示。
一方、佐々木さん(堀内敬子さん)のカップ酒には「大将」の文字が。
この「大将」は、朝ドラ『エール』で使われていたのを覚えておりました。画像は『エール』第118回から。1964年の東京オリンピック開会式当日、村野鉄男(中村蒼さん)が恩師である藤堂清晴(森山直太朗さん)の墓前にワンカップの日本酒を供え、ラジオでオリンピック開会式の実況を流している場面です。
この「大将」は、鉄男のあだ名から付けられた名前のはず。
そして、この「大将」を佐々木さん(堀内さん)が飲むというのは、『エール』で堀内敬子さんが藤堂清晴の妻・藤堂昌子を演じていらっしゃったからだと理解するべきでしょう。
佐々木さんが飲むお酒が「大将」だったのは偶然ではなく必然なのでした。
直樹が飲んでいた缶入りハイボール「Super Highball 丸」について追記します。
「丸」の意味が分からなかったのですが、「丸」についてはサントリーの「角ハイボール」を意識して作られたものだと考えれば腑に落ちます。
ただ、「Super」からは「スーパーニッカ」を連想するので(ハッキリ見えないものの、Superの文字は激似です)、必ずしも「角ハイボール」だけが元ネタだとは思いません。
(2024年5月4日追記)