「空気と光と そして友だちの愛 これだけ残っていたら」(ゲーテ)

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看板とは全然関係ない話です。

高橋健二編訳の『ゲーテ格言集』(新潮文庫)にこういう文があります。

空気と光と
そして友だちの愛
これだけ残っていたら、
弱りきってしまうな。(1776年1月作詩)

これと同じ文と思われるものが現在ネット上ではこうなっています。

空気と光と友人の愛、 これだけ残っていれば気を落とすことはない

「弱りきってしまうな」が「気を落とすことはない」と、かなり意味が変わっているように感じます。

ドイツ語は全然理解出来ないのですが、”An den Herzog Karl August”という題のゲーテの文にこうありました。たぶんこれが原文。

Nur Luft und Licht Und Freundeslieb!
Ermüde nicht, Wem dies noch blieb.

これをexciteの翻訳サービスで独→日訳するとこうなります。

空気と光と友人だけが愛する!
これが誰に残ったか疲れないでください。

どちらかと言うと「気を落とすことはない」に近い訳がでてきます。

では、独→英で訳してみるとどうなるか。

Only Air and Light And Friends Love!
Don’t tire of who this remained.

なんとなく勇気づけているように感じられます。

多分これは日本語の問題で、「弱りきってしまうな」は、「弱っちゃったな。どうしよう」という「弱気な独り言」ではなく、「弱りきるんじゃなく、元気だそうぜ」と励まそうとしているのではないかと。
つまり、「弱りきってしまうな」は、「弱りきって」+「しまうな」と禁止を表している。そう捉えるべきなのでしょう。
永年間違った解釈をしていたようです。そういう人が多かったのではないかと想像するのですが、私だけだったのだとしたら実に恥ずかしいことです(笑)。