どこにも行けない階段(朝ドラ『おちょやん』)

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ドラマのセットについてのごく短い記事です。

いよいよ今週で放送終了となる朝ドラ『おちょやん』。半年間、楽しませていただきました。
『おちょやん』以前からも朝ドラのセットで使われる看板やポスター等についていろいろ書いてきて、建物などの大道具についても触れる事があったりもしました。

今回書くのは、謎の階段(+踊り場)についてです。
『おちょやん』第21回の画像をご覧ください。「カフェーキネマ」へ行く為、ヒロイン千代が下りてくるところ。この階段の使い回しについては【大阪制作の朝ドラで使用される階段3】で少し詳しく書いておりました。
朝ドラ『おちょやん』第21回から
朝ドラ『おちょやん』第21回から
問題と言うか、「あれ?」と私が不思議に思った点がありました。上2枚の写真をご覧になって、何か気づくことはないでしょうか。

それぞれから、階段ではなく、その先にある踊り場のような箇所を切り取ってみます(杉咲さん、頭を切ってしまってごめんなさい)。
朝ドラ『おちょやん』第21回から
朝ドラ『おちょやん』第21回から
どうでしょう。階段の上にある踊り場のような場所は行き止まりになっていて、どこにも行けないようになっています。

「もしかすると掲示板の裏にまた下りる階段があるのかも」と考える人がいらっしゃるかも知れません。私は最初そう考えました。

でも掲示板の裏はこんなに細いのです(第22回から)。この奥が階段になっているというのは非常に考えづらいところでしょう。そもそも人が歩くことを想定したものではありませんね。朝ドラ『おちょやん』第22回から

ということは半畳くらいの踊り場のような場所のみが階段の上にあるということになってしまいます(↓『おちょやん』第23回から)。
朝ドラ『おちょやん』第23回から

階段はあるけれども、その先どこにも行けない。トマソンの「純粋階段」ではありませんが、かなりそれに近い感じです。

『おちょやん』を視聴してきた殆どの人は気づかなかったはずですが、「いや、俺も変だと思ってたんだよ」という人の為に書きました(笑)。


訂正です。

レンガの壁の向こう側に歩いて行けるようになっていました。第21回からです。
朝ドラ『おちょやん』第21回から
朝ドラ『おちょやん』第21回から
階段を上ってきて千代とすれ違った人が、ごく普通に左へ歩いて行っていました。。

また、第23回で先に引用した画像の前後で、階段を上った人が左へ走っていく様子がちゃんと映っていたのでした。朝ドラ『おちょやん』第21回から
朝ドラ『おちょやん』第21回から
朝ドラ『おちょやん』第21回から
朝ドラ『おちょやん』第21回から

↑最後の画像から階段の上の部分を切り取りました。「踊り場」などではなく、ちゃんと道になっていたのです。
朝ドラ『おちょやん』第21回から

美術班の方々、大変失礼しました。
申し訳ありません。
訂正し、謹んでお詫び申し上げます。
(2021年5月13日追記)