スナック「Beacon」置看板(朝ドラ『ちむどんどん』)

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ドラマのセットで使われる看板に関する短い記事です。

朝ドラ『ちむどんどん』第43回から。
ヒロイン暢子(左:黒島結菜さん)が手伝い出したおでんの屋台店です。そとに置かれている電気の点いた置看板にご注目を。
朝ドラ『ちむどんどん』第43回から

切り取りました。
朝ドラ『ちむどんどん』第43回からスナック「Beacon」置看板

「スナック/Beacon/ビーコン」と書いてあります。中に蛍光灯が入ったいわゆる電飾看板です。

同じ看板ではないのですが、「スナック/Beacon/ビーコン」と記された電飾置看板が『ひよっこ』でも使われていました。画像は第3回から。東京・赤坂にある「あかね坂商店街」の中です。「Beacon」の看板は右下のあたりに。『ひよっこ』第3回から
切り取りました。昼間なので電気が点いていないようです。
『ひよっこ』第3回からスナック「Beacon」置看板
『ちむどんどん』の「Beacon」看板画像を再掲。
朝ドラ『ちむどんどん』第43回からスナック「Beacon」置看板

縦長と横長という表示面の違いがあって、勿論看板本体が異なっているのですが、同じ店舗の看板であると考えるのが妥当でしょう。

そして、看板のデザインについて見てみると、縦長/横長の違いがあるものの、使われている書体は全く同じであるという、実に強いこだわりを感じます。外側にある飾り枠もほぼ同じで、『ひよっこ』制作時に作られたものなのかと思われる程です。実際のところは美術スタッフの方にお聞きしないと正確なところは不明なわけですが、私は『ちむどんどん』の「Beacon」看板は、今回作られたものだろうなという気がしています。判断理由は「なんとなく」というあいまいなものでしかないのですが。

「Beacon/ビーコン」の名前の由来は、「原義は狼煙や篝火といった位置と情報を伴う伝達手段のことであり、注意を引き付けるために意図的に設けられた場所」(灯台など)のBeaconだろうと考えるのが普通だと思います。

ただ、朝ドラで使用される看板なので、過去の作品の影響を受けているかもと考えることは必要かも。

実は、『梅ちゃん先生』(2012年度上半期)で、医学部内の再試験を「ビーコン」と呼んでいたことがあるので、この「ビーコン」と全く無関係であるとするのは少々考えづらいのです。朝ドラ『梅ちゃん先生』第28回から
『梅ちゃん先生』で再試験を表す「ビーコン」はドイツ語由来らしく、あえて書けばWie-Konになるらしいのですが、これは「Beacon」とは全く関係がありません。

それでも、『ひよっこ』で使われ、『ちむどんどん』で再び現れた「Beacon/ビーコン」看板は、「Beacon」本来の意味を意識しながらも『梅ちゃん先生』の「ビーコン」(再試験の意)の影響を受けて名付けられたのではないのかなと考えるわけです。

『ひよっこ』の「Beacon」看板は、ヒロインみね子が住み込みで働く「向島電機」近くにある「亀の湯」横にも実店舗があったりしました(第38回から)。
朝ドラ『ひよっこ』第38回から
朝ドラ『ひよっこ』第38回からスナック「Beacon」置看板

こうして夜光る看板というのは「Beacon」の一種と考えられなくもないな、と穿った見方ですが、そう感じます。「Beacon」の「Beacon」。